ウォーキング(1) 基本


「歩く」ということ、改めて考えたことありますか?「歩く」とは自分の身体をある地点から別の地点へ移動させる動作です。あまりにも当然のことなので普段歩けることに感謝するなんて無いですよね。 私自身は、スキーで軟骨骨折をした経験や、つい最近も転んで膝をえぐってしまったこともあって歩けないことの不自由さ、大変さを身をもって体験しています。余談ですが、膝の傷は8ヵ月以上たった今でも時々痛み、歩くことの不自由さはないものの、痛くて膝がつけないこともあります。変なところに力が入ってしまって大変なんですよ。大切な2本の足、きちんと正しく使って愛情を注いであげたいですね。(足だけでなく、体全体にもですが)


 
人間と他の動物との最も基本的な違いは立って歩くことだと人類学者達は考えています。2本足の後ろ足で立つことによって、前足が自由になり、その結果道具を作ったり使ったりできるようになり、文明が発達しました。 人類が立って歩き始めたのは、1千万年前から5百万年前位前だろうと言われ、初期のころの歩き方は完全なものではなかっただろうと推定されています。ともかく、森林から離れ、平原へと進出し、行動範囲をだんだん広げ、人類は雑食性への道を取りはじめ、2本足で歩くことがさらに上手になったのでしょう。そして狩猟をするようになったことで、走る能力も獲得し、二足歩行が完成されました。

ヒトは何故二本足で立つの?・・・






そもそも人類は何故直立二足歩行するようになったのか?ということに関してはいろんな説があるようです。
類人猿(ゴリラ・チンパンジー)のように体が大きくなり、木の上を4本足で歩くことができなくなり、木から木へと腕を使って渡っていくうちに地上で2本足で歩くことを覚えたとか、あるいは食べ物を一度にたくさん運搬するために両手で木の実なんかを持って、2本足で歩くようになったなど色々あるのです。 ともあれ、地上で二本足で歩くことにはたくさんの利点があったのは確かなようです。例えば草原であれば遠くが見えるとか跳躍ができるとかですね。
そして二足歩行をするようになると、それに適した身体になってきました。 例えば足。チンパンジーなどの足はグニャグニャとしていて足で物をつかめるほどです。しかし人類の足は骨が靭帯で強く連結されており、ほとんど動きません。これは体重を受けるのに都合がよく、歩くときの体重移動も能率良く行われるのです。もし私たちの足がチンパンジーのように柔らかければ、それはいつも砂か泥の中を歩くようなもので、余計な力を使わなければならないでしょう。
さらに人類の足の親指は極めて良く発達しています。親指で地面を力強く蹴ることができるようになっているんですね。
「歩く」ことひとつ取ってもこんな秘密があるなんて、人間って不思議ですね。