昨 回(カラーイメージ戦略(3))でジョギングしながら見る風景や色についてお話ししましたが、その続きです。
 実は9キロのレースに参加する予定があるので、先日多摩川沿いにあるサイクリングロード(東京都と神奈川県の境界線)を、丸子橋から羽田方面に走って来ました。見所は多摩川沿いの庭やマンションのベランダのガーデニング。今一番花が美しく咲き誇る季節ですから、それはそれは各家庭の“らしさ”がはっきりでていて見ごたえ十分。

 大輪の花が中心のゴージャスなコーディネイト、小さな花や緑を集めた草原のようなイメージ、ほとんどハーブや野菜の実用重視の美味しそうな庭、赤い花で埋め尽くされたはっと目を引くベランダ、一方隣のベランダはカラーパレットのような色とりどりの花、花、花。観葉植物が多くジャングルのようなイメージであったり・・・・・、もちろん日本庭園もありました。それから、ガーデニングを始めてみたものの興味の対象が変わったのか、すっかり枯れて放置されたままの可哀想なベランダも。余談ですが、干してあるお洗濯物からも家庭の様子を想像できてしてしまったりしますよね。
 植物の色や種類の組み合わせ、見せ方、手入れの仕方などから、それぞれがあるイメージ“らしさ”を物語っています。もちろんこちらが勝手にイメージを作り上げるのですが、イメージを持つということはそうなんです。本当はどうであれ、こちらの勝手なことなんです。言い換えれば、色一つの使い方からもイメージ・・“らしさ”・・がメッセージとして表現され、相手に、周りに伝わっているのです。

 私の個人的な経験をお話ししたいと思います。講演会やセミナーで着用するスーツの色は、以前は紺、淡いブルー、赤がほとんどでした。あるとき生まれて初めてピンクのスーツを着て講演をする機会がありました。正直言って全身ピンクには抵抗がありましたが、驚くことに、講演後お客様からの反応が今までと随分違うのです。“かわいい方ですね”とか、“ほんわりした方ですね”など。“かわいい”なんて子供時代も含めて言われたことがありませんでしたから、嬉しくてもうビックリです。ちなみにそれまでは、“かっこいい”“元気”“エネルギッシュ”などが多かったと思います。
 もちろんピンクの色だけの影響ではないと思いますが、色ひとつで、自分も周りも影響を受けるものだと体験した出来事です。それからは、ピンクのスーツがワードローブに加わったことは言うまでもありません。

 ファッションの色選びは、もちろん“いい感じだから”、“好きだから”も大切です。ですが、見せたい自分のイメージを色で演出することができるとしたら・・・、似合う色を知ってより印象がよくなるのなら・・・、知っておいたほうがお徳だと思いませんか。 


次ページリンク フッダ