お正月の話題に必ず上るのが、お雑煮。味噌かすましか、角もちか丸か、具は何か・・・・、所変わればお雑煮ひとつ取っても随分違うものですね。 これも一つの異文化です。私たちも“それ美味しそう”“ちょっとパス”などと花が咲き、話はお雑煮からすき焼きなどへとどんどん広がり、大騒ぎでした。

 そんな中、日本に初めて遊びに来ていたアメリカ人が、“じゃあ、日本ではサンクスギビング(Thanksgiving Day−−感謝祭/過去1年間の神恩を感謝する休日で11月の第4木曜日。この日は必ず家族が集まります。メイン料理は七面鳥、スタッフィング/七面鳥の中の詰め物、クランベリーソース、パンプキンパイ)には何を食べるの?”との質問。私たち日本人全員の顔に?のマーク。大笑いになってしまいました。当然ですね。日本にはサンクスギビングはないのです。この日はアメリカと日本の文化について大いに盛り上がったことは言うまでもありません。
 日本人同士でも出身地が違えば、言葉や装いなど表現方法、食べ物の種類や食べ方など少しずつ違います。ましてや異文化ならばなおさらです。

 又、こんな話もあります。日本に住んでいる外国人が、“お箸の使い方上手ですね”“日本語が上手ですね”と褒められ、最初は嬉しかったものの、どこでも同じことを繰り返し言われ、今では意味のない言葉に聞こえる、と言っていました。お箸を使うのは日本人だけではありません。中国、韓国、シンガポールなど他の国々でも使われています。流暢な日本語で日本国内を飛び回るビジネスマンは珍しくなくなりました。
 そういえば、外国人が日本語で日本人に話しかけても、日本人ではない顔のせいか“ノー、ノー”と全く相手にされなかったという笑い話もあるくらいです。
 逆に、私がアメリカの知人の家に遊びににいったときのこと。15年ぐらい前になるでしょうか。彼女のご両親が私がフォークとナイフが使えるかどうか心配しているのです。お箸を用意するべきかどうか、遠い日本から来た私への優しさだったんですが、私は“当然でしょう”とちょっと気分を害してしまったのを覚えています(若い頃だったのでゴメンサイ。今ならにっこり笑っていられますよ)。そういえばその頃、“お箸の使い方上手ですね”と何の迷いもなく外国人に尋ねていたのは私も同じです。反省。
 皆さんも、きっと沢山の“オヤッ”や“シマッタ”があると思います。ひとつひとつがよい経験であり、勉強ですね。

好むと好まざるとにかかわらず、現代の世界は急速に縮小しボーダレスになっています。日本人だから・・・は通用しません。アメリカ人だから○○○といったステレオタイプな捕らえ方も同じく通用しません。
 まず自国の文化を知り、異文化を理解し、国際感覚をもつこと、それが相手の立場に立つことにつながり、人間関係やビジネスをスムーズにします。


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