に一回のイベント、年賀状。とにかく慌ただしい年末、“年賀状を書くこと、めんどくさーい”と思ったりしてしまいますが、元旦や出社初日に年賀状の束を受け取るその瞬間の感激はたまりません。考えてみれば1人1人の顔を思い浮かべながら年賀状を書く事は結構楽しいものです。
 子供のころ、私にはあまり年賀状が来ませんでした。父の年賀状の束の厚みがとても羨ましく思えたものです。子供の私宛は少なくて当然だったのでしょうが、自分を認めてもらえていないような・・少し寂しい感覚を覚えています。
そんな思いがあるせいか、私にとっての年賀状を書く、受け取る事は年末年始にかけての大イベントでなのです。
 暮れではなくお正月に書くべきだとか、虚礼は必要ないとか、いろいろ言われていますが、大切なことは、“この人に出したい”という思いではないでしょうか。年賀状も大切なコミュニケーション、できる範囲で、自分らしく続けることです。





 古代の日本人は、言葉はたんなる記号ではなく、語られた言葉は実体を持つと考えていました。一種の言語呪術信仰です。“おめでとう”の言葉を言ったり、送ったりすることによって、相手が本当にめでたくなると思う訳です。この言葉の呪術的な信仰が後に年賀状や中元状(暑中見舞い)という手紙につながっていきました。

キリスト教信仰の宗教行事と深くつながっているヨーロッパなどでは、正月よりも、クリスマスが重要な節目になります。日本では宗教的な祝福というよりは、あくまでも人間関係そのものに根差しています。

 毎年受け取る年賀状に、どれだけわたし自身喜んだり元気づけられたりしたことか。沢山“おめでとう”を贈る事のできる人には、沢山の“おめでとう”が戻ってくると思います。年賀状に喜びを乗せて、長く長く贈り続けていきたいですね。
(参考図書・日本の風俗の謎)




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