顔はエネルギーと情報の取り入れ口として生まれ、人では心の窓、そして社会的なプラカードになりました。
 
顔の役割
 人間の顔は動物の顔とは違った役割を担っています。
【証明書としての役割】
 男性か女性か、何歳ぐらいか、西洋人か日本人かなど、ある程度は見当がつきます。
【心の窓としての顔】
 その時々により無意識に顔は変わりやすいのです。心理学者は、顔は“心の窓である” といいます。
【コミュニケーションメディアとしての顔】
 人間は意識的に顔を変える、すなわち“道具としての顔”使っています。顔はノンバー バルコミュニケーションメディア(ノンバーバルコミュニケーション参照)とし ての役割を果たしています。
 例えば他人を引きつける道具として、また相手を威嚇する道具としてなど。笑顔も1つ の道具としての顔の使い方です。
【存在としての顔】
 顔は自分の存在そのものであると哲学者は言います。例えば“顔に泥を塗られる”とは 存在を否定されるこで、実際に泥を塗られる事ではありませんね。
 顔について考えることは、人間そのものを考えることです。
【文化としての顔】
 顔にはその人が生活している社会、時代、文化が反映されます。
 お化粧の仕方の変化もその1つです。もともと日本は顔を隠す文化であったと言われています。また、日本では表情豊かに自分の感情を出してしまうことははずかしい事とされていました。今、表情のみえない日本人と言われてしまっていますが、過去のこんな 文化的な背景もあるのです。

生きるために顔ができた
 生きていくためには栄養を取らなければなりません。そこでまず口ができました。すぐに食べ物を口にすることができるように、一番前にできました。次に食べ物があることを匂いで知るために、鼻が口のそばにできました。それから、外界から身を守るため、あるいは獲物があることを識別するために目ができました。そして音の感覚器官として耳ができました。
 鼻、目、耳などの感覚器官は、栄養を取り込むというより、情報の取り込みという意味を持ちます。その情報を処理して行動に結び付ける為に脳がすぐそばにできたのです。

直立歩行で言葉が生まれた
 人間は直立歩行をすることで顔が一番上に来ました。それにより口の役割が変わりました。口にはもともとは食べ物を食べる役割とともに、もうひとつ、相手を攻撃する道具としての役割もあったのです。
 しかし人間が直立歩行をするようになって、手を使うことができるようになりました。 手で食べ物をつかむことができ、また相手への攻撃も手を使ってできるようになったのです。そのため人間にとってもともとの口の役割は失われ、固い必要もなくなり、口の周りが柔らかくなりました。そしてこの柔らかさが、顔の表情を生み、表情によりコミュニケーションが可能になったのです。また、口の形を自由に変えることによって、いろいろな種類の声を出せるようになり、言葉や言語が生まれたのです。
 言葉はコミュニケーションの道具のひとつですが、それだけでなく、言葉は自分自身でものを思考する道具にもなっているのです。
 2足歩行が人間の知的能力を飛躍させたと言えます。2本足でしっかり歩くことは人間の原点です。歩くなら、正しい姿勢で、正しく歩きたいものです。(ウォーキング(1)(2)参照 )


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