昨 年の10月からジョギングを始めました。ゆっくり30分から40分。以前は、走ることには全く興味をもっていなかった・・・・というよりも、“大嫌いだった”と言ったほうが当てはまるでしょうか。一人でつらい思いをしてまでなぜ走るのか、ランナーたちの思いは全く理解できませんでした。
 しかし、もう7カ月も続いているんです。自分でも驚きなのです。もちろん毎日はとても走れませんが、できれば週に3回。現状は週2回ペースがやっとで、サボってしまうこともしばしばですけれども。
 走って実際に体が変わったという現実も魅力の1つなのですが、何よりも風景の感じ方が変わって、それにはまってしまったのです。例えば、風や空気の重さや軽さ、暖かさ冷たさの日々のちょっとした違いを体に感じられることがとても気持ち良いのです。また匂いも違います。代々木公園(東京代々木)のある場所は、秋になると甘い柔らかな香りがするのです。何が香るのかは分かりませんが、毎年同じ時期に同じ香りがします。季節毎の花の香りも以前はこんなに違いを感じませんでした。音もすてきです。鳥の声、木々のざわめき、虫の声、子供たちの笑い声・・・。鴬の声を聞きながら走ったときにはペースがゆっくりになってしまいましたが、ハ、ハ。ちなみに私が住んでいるのは東京の真ん中です。

 それから色。昨年の秋は、あちこちの紅葉を走りながら楽しみました。イチョウ並木を延々と走った快感は忘れられません。冬はご近所の家々のクリスマスのデコレーション、イルミネーションを楽しみ、また妙高高原では、真っ白な雪の中を走る“キリリ”とした感覚も生まれて初めて経験しました。庭先の花の色が目に飛び込んでくるようになり、4月は目黒川沿いの桜を追ってずーっと品川方面に走りましたっけ。
 そして今、5月。目にも心にも心地よい柔らかな沢山の緑色のグラデーション。自然の色はすごい。何でこんなに美しく調和しているんでしょうね。家とオフィスの往復ではついつい見逃してしまいがちな、日常のちょっとした色を感じられることもジョギングのメリットだと感じています。


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