文化と文明とはほぼ同義に用いられることが多いですが、文明とは区別をし人間の精神的生活にかかわるものを文化ととらえると分かりやすいと思います。ですから、文明は進んでいる、遅れているという比較はできますが、文化は優劣や善悪ではなく違いがあるのです。間違って文化に優劣をつけてしまうと、劣っていると見なした文化に対し、尊大な態度をとったり、馬鹿にしたりしがちになります。逆に優れているとみなした文化には卑屈になってしまったり。
 文化の基本、最小単位は個(パーソナリティー)の文化です。その外側に家庭の文化(しきたりや慣習など)、さらに地域の文化、そして学校や会社の文化(所属する集団によって見方、考え方などが変わります)、そして一番外にあるのが日本という国の文化です。個々や地域で異なる文化も日本という国の枠で捕らえた場合、日本人一般に共通する文化が存在します。
 異なった文化の人同士が出会ったとき、相手の行動は見えても、その行動の背景にあるものまでは見えません。そこでつい目に見える行動のみをとらえ自分の文化のものさしで相手を図り、決めつけてしまう。これでは円滑な付き合い、相互理解などできるはずがありません。同じような行動に見えてもその文化的な背景が違えば、意味が違ってくるのです。これは日本人でも外国人でも同じことです。
   偏見を無くし、お互いの文化の違いを尊重し、学ぶ謙虚な態度が大切です。



 
 タイ
 かわいいからと言って、子供の頭をなでたりするのはNG。アメリカや日本では愛情表現の一種ですが、タイでは全く反対の意味。
 年長者の前では、足を組まないように

 ギリシャ
 OKのサイン(親指と人差し指でリングを作る形)はNG。これはわいせつな仕草とされています。
 イスラエル
 宗教上の厳しい週間や服装の決まりごとがありるので要注意。
 アルコールは禁止。アルコールを持ち込むと没収のうえブラックリストに記録されます。
 
 サウジアラビア
 安息日にはたばこは禁止、パンにバターをつけず、コーヒーにはミルクを入れません。

 他にもイスラム文化のタブーとして、相手に靴の裏を見せてはならない、ということがあります。靴の裏は汚れた地面にじかに接するため、これを相手に見せるのは屈辱的な行為とされます。又、右手を尊び左手は不浄の手とされています。例えば左手で人に物を渡さないように。失礼になります。

 タブーを全部学ぶことはまず不可能です。相手の文化にとって失礼なこと、間違いを犯せば必ず何か相手の反応があるはずです。それを敏感に感じとり、失礼なことをしたかどうかを素直に尋ねるのが一番です。相手は、好ましい言動のありかたを教えてくれるでしょう。素直に謙虚に学ぶ姿勢をもって接すれば、間違いを恐れることはありません。
 手前みそかもしれませんが、私たち日本人は謙虚に学ぶ意識をもって努力する才能に長けていると思います。


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