i ギリスでの私の経験。ロンドンのあるスタジオでリハーサルをしていたときのこと。数人分のコーヒーをスタジオ脇のカフェ(カフェの出入り口にはハネ式の簡単なドアがついていました)で購入し戻ろうとした時---もちろん私は両手がふさがっていました---、ドア脇の電話で何やら難しい顔で話し込んでいた青年が、ごくごく自然にさっとドアを開けて私を通してくれたのでした。「サンキュー」という私に“ニコッ”。ほんの一瞬の出来事だったのですが、この条件反射?!のようなさりげない彼の振る舞いがあまりにも見事でスマートで・・・、8年程前の話なんですが今でも時々思い出してしまうほどです。
 その状況にすぐ反応し行動できる、“身についている”とはこういうことの、お手本のような出来事です。このほかにも全くの他人の私に対する“ちょっとした”気遣いをアチコチで経験し、さすがイギリスは違うと・・・何がさすがか分かりませんが・・・イギリスにはとっても良い印象をもっている私です。
 後ろや周りの人に対する気遣いは、ドアだけの事ではありません。電車の乗り降り、化粧室、階段・・・・・等などでも。また、会話でも同じです。自分が話したいからと、人の話に割って入るのは失礼なこと。偶然同時に話を切り出したら、「ごめんなさい、どうぞ」と相手に先をゆずる心遣いが大切
 一事が万事ですから、ドアのマナーができている方はどんな状況でも周りへの配慮のできる方に違いありません。人だけでなく物に対しても、周囲への“ちょっとした”心配りの表現を身につけて行きたい。これは毎日のちょっとした行動の積み重ね。身についていないものは、自分で自分を躾し直すぐらいの心構えが必要かもしれません。


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